やらなきゃ、やらなきゃと思いつつにゃんこに嫌がられてしまうと「また明日がんばろう…」とおざなりになってしまう歯みがき。やっぱり頑張ってお手入れしてあげないと、お互いつらい思いをするのは目に見えています。
あなたのおうちのにゃんこが子ネコちゃんならラッキー!そうでなくても、飼い主さんの努力でどうにかなる(はず!)
猫に歯磨きは必要なのか、一緒に勉強していきましょう。
猫に歯磨きは必要?
長生きしてほしいなら必要です!
もうちょっと、具体的に言うと「歯周病にならないようにするために必要!」です。
歯周病が原因で他の病気を引き起こしたり、食欲減退につながってしまうため寿命を縮めてしまうと言っても過言ではないからです。
歯周病とは?
歯周病は、歯垢(プラーク)によって起こる「歯の周りの病気」です。
口腔内を不潔にしていると、プラーク中の細菌が繁殖し、炎症を起こします。ふなぼり動物病院
歯周病は症状の具合によって、「歯肉炎」と「歯周炎」の2つに分けられます。
歯肉炎
その名の通り、歯が生えている部分=歯肉=一般的に言う「歯ぐき」に炎症が起き、「出血」や「腫れ」という症状を引き起こします。この段階で気づければ、的確な初期治療で完治可能。ただし、放置してしまうと歯周炎に進行してしまいます。
歯周炎
歯を支えている歯周組織が破壊され、歯周ポケットが形成されます。
歯肉が腫れたり、膿(うみ)がでたりと強い痛みを感じます。
処置が遅れると最終的には歯を抜かなくてはいけなくなります。ふなぼり動物病院
猫は「痛みをがまんする動物」と、いわれています。強い痛みをがまんするあまり、ごはんが食べられなくなり最悪の結果となることも…。
【ここまでのまとめ】
おうちのにゃんこに長生きしてもらう為に、歯磨きは必要。
歯みがきをしないと、歯周病になる可能性大!
歯周病はさまざまな病気の元。
どうすると、歯周病になっちゃうの?
仕組みはわたしたち人間と同じ。
- どんなにゃんこでも、口腔内にもともと菌膜が存在している。
- そのまま放置し続けた場合、24時間後に【歯垢が発生】。
- ふたたびそのまま放置した場合、2.3日後【歯石に変化】。
- その歯石に再び細菌が付着する。
- 歯垢がたまりやすく、歯周病へと発展してしまう悪循環に。
歯垢を取り除こう
誰でも(どのねこちゃんも)口腔内は細菌だらけ。で、その細菌がフィルム状に歯に付着している「菌膜」が存在。これには抗生物質は効かないが、こすりとれば簡単にとれてしまうという特徴があります。
べたべたしている状態の【歯垢】の段階でなら、物質的にゴシゴシすればとりのぞけるのです。
一方、その【歯垢】が残ったまま2.3日経過するとブラシでこすっても取り除けない【歯石】に変化してしまう。そうなってしまうと動物病院で麻酔をしてもらった上での「歯石除去」でないと上手く取り除けない(‘Д’)…。という状況に!
【ここまでのまとめ】
食べ物を食べた後、数日間そのままにしておくと歯石になりやがて歯周病になってしまう。
歯周病にならない為には、食べ物を食べた後遅くとも3日以内には歯みがきをすること!
猫の歯石除去
歯石除去が必要なのは、見た目の問題だけじゃないんです。
歯石はお口の中に残った食べ物のかすや細菌の死骸と唾液などの中のカルシウムの塊がこびりついたものです。
高砂歯科 歯石とは?
- ガタガタぼこぼこの歯石まわりに、細菌だらけの歯垢が付着
- 歯と歯茎付近に付着した歯垢内の細菌が毒素を出し歯ぐきにダメージを与える
- ダメージで歯ぐきが腫れ、歯周ポケットと呼ばれる溝ができる
- 歯周ポケット内でさらに増殖した「歯周菌」が、血流にのって心臓に悪影響を与えることをはじめ、腎不全その他の病気を引き起こしてしまう!
表面に見えている歯石だけではなく、歯周ポケットの歯石を取り除くことが最も重要なのです。これは、素人には不可能な処置でしょう。
「歯石除去」の目的は、歯の表面をつるつるにして歯垢をつきにくくする、ということです。
病院での処置例・金額例
麻酔のあり・なしで大別できるようです。
- 無麻酔での歯石除去。(1500円~3000円)
- 麻酔に耐えうるかどうかの検査、可能であれば全身麻酔+血液検査+歯石除去を日帰り入院。(3万円程度)
- 麻酔をかけたうえで、歯の動揺度、歯周ポケットの深さの測定、レントゲン撮影の後適切な処置を診断。超音波スケーラーで歯石除去・歯面の研磨。
※金額は一例であり、各病院によって差があるようです。
麻酔なしのメリット・デメリット
◎ 麻酔の負担がないため毎年、歯石除去ができる。
× 歯周ポケット内の歯石除去はデリケートな作業の為不向き。一番大事な部分の歯石が取り除けない。(麻酔なしの歯石除去は除去しきれないので意味がない、という論もあり)
× 取り除いた歯石を誤って飲み込み、気道に入ってしまうと誤嚥性肺炎になって命にかかわることも。
× 暴れるのを抑えながらの処置で、誤って歯を折られてしまうかも(歯石が付いているということは、歯自体弱ってい可能性が高いので)
麻酔ありのメリット・デメリット
◎ 細かな処置が可能。
× 少なからず麻酔がにゃんこに負担になる。
【ここまでのまとめ】
歯石がついてしまうと病気のリスクが高まる。
歯石除去(歯周ポケットの洗浄・歯の研磨まで)をするには、動物病院でないと不可能。
動物病院での歯石除去には麻酔が必要、にゃんこには負担がかかる。
歯石除去は猫保険対象になるか
ほとんどのペット保険では、「対象外」と表記されていました。が、中にはこのような保険もあるようです。
症状がない場合や美容目的の歯石取りの場合は、保険の対象となりません。
ただし、歯周病等の歯科口腔内症状があり、治療の一環と
して行う歯石取りは保険の対象となります。詳しくは、保険金請求書類をお送りいただきましたら、
個別に判断をさせていただきます。なお、治療の一環として処置を行ない、保険金をご請求いただく際は、
必ず傷病(症状)名の記載が必要となりますので、ご注意ください。アニコム損害保険会社 FAQ:歯石取りは保険の対象となりますか
まとめ
歯みがきの必要性お分かりになりましたか?
嫌がるにゃんこを抱えている飼い主さん(わが家も(+_+))は、歯みがきってとっても大変ですよね…。
でもっ!将来にゃんこが動物病院のお世話にならないようにするためにも、ここは飼い主さんのがんばりどころです!今からでも遅くない!口の周り・中に触れさせることから馴らしていきましょう(^^)/