真剣に悩んだ、猫と人に関わる病気「猫カビ」についてまとめています。
猫の脱毛、人への感染、痒みからくる途方感…(涙)。それが今では完治し、以後再発していません!
今、猫カビかも?と不安なあなたへ…この記事を読めば、あなたがこれからどうしていけばいいかわかるように、具体的にまとめました。
「猫カビ」とは、多くの猫が感染する一般的な皮膚病のひとつです。気を落とさず、じっくり治していきましょう!
※一般的に「猫カビ」と呼ばれる症状は、「リングワーム」「真菌症」「皮膚糸状菌症」と呼ばれる症状と同義と考えていいです。
photo credit: Kettukusu via photopin cc
猫カビが人間にうつった症状例【画像あり】
上の写真は、家族内でも一番症状がひどかった私の例です。「こんな場所、カに刺された記憶ないけど… 」と思っていたら、患部があれよあれよと「リング」状に!
自覚症状としては、赤みを伴う腫れ、強い痒みが特徴的でした。
リングワーム(環状紅斑)
円の中心部に病変が発症、中心部より順次治癒していくとともに病変は円が広がる形で大きくなっていきます。
参考:ペットからうつる感染症
猫カビは人間にもうつる「人獣共通感染症」のひとつ
photo credit: funadium via photopincc
人獣共通感染症(じんじゅうきょうつうかんせんしょう)とは、厚生労働省で「動物由来感染症」ズーノーシス(zoonosis)とも呼んでいるもの。動物から人間へうつる病気です。
猫カビはまさに「人獣共通感染症」のひとつ。発症するまで全く知らず、家族全員に感染してしまいました…。
1番に現れたのは下の子の肩です。
気づいた頃は輪っか状に赤くなっているだけで、本人はかゆみなしとのこと。ただし今まで経験したことのない形状だったので心配になり、皮膚科を受診しました。
病院での診断は…「輪っか状をしていると、まずカビを疑います」とのこと。
カビっ!?
赤くなっている部分をほんの少し採取し、培養してみるとのこと。数日後に出された結果は「陰性」(=カビは見られない)でした。
「じゃあ何だったんだろう…?」とモヤモヤしていたさなか、私の手首に赤い発疹が!!
患部はかゆいし、どんどんリングが大きくなっていくし目の前が真っ暗になりました…。
再度病院を受診。
患部の組織を採取し、先生が顕微鏡でのぞいてみるとすぐに【猫カビから感染したもの】という診断に。
下の子の感染部分は軽傷で、自己治癒した状態だったので「陰性」と診断されたのかもしれません。
人間にうつってしまったときの対処法
「原因の猫を処置しないとまた人にうつるかも」と脅されつつ(汗)実行したのは以下の3点です。
- 患部:外用の抗真菌軟膏
≫市販の抗真菌薬(人間用) - 猫と触れた後:しっかり手洗い、殺菌
≫真菌対策成分含有の殺菌液体石鹸 - 猫の行動範囲を徹底的に掃除
≫なかなか治らないとき見直してみて!場所別猫カビ対策用除菌・掃除方法
塗り薬を塗っていると2週間ほどで次第に痒みが引き、赤みもひいていくのがわかりました。
感染を早期発見できた上の子とパパは、ほとんど痒みを感じなかったそう。抗真菌軟膏をすぐに塗ったので、2.3日後にはかゆみが取れすんなりと治りました。
広がったリング状痕は徐々に薄くなり、数か月で全く分からなくなるまで消えました!
猫カビにゃんこには、完治するまでケージに入っていてもらうという手もあり。
ちょっと可哀そうに感じるけれど、人(多頭飼いなら他のにゃんこへも)への感染予防・掃除の簡略にも役立ちます。
猫カビ【にゃんこ編】
具体的な症状
「複数個所・円形状にはげる」というのが代表的な症状例です。ただし、猫が脱毛するのは「猫カビ」だけでなく他の要因の場合もあり。
はげる場所としては、にゃんこの顔や手足の先、しっぽの先っぽに発症することが多いそう。
わが家の場合は、頭頂部・耳の上・脚の内側・しっぽの先と計4か所、ほぼ同時期にはげました。
最初は、「なんだろ?白いかさかさしたものがついているなぁ。」ぐらいの状態。それが気づいたら!「えぇ??あっちもこっちもはげてる~!!」という感じ…。
糸状菌症の場合、罹患しているワンちゃん、ネコちゃんがほとんど気にしていない・痒がらないことも多いです。
わが家にゃんこの場合も、そこまで痒そうにはしていませんでした。
猫カビになりやすい子の特徴
子猫・老猫・病気中で体力が弱まっている子、猫エイズなどで免疫が弱まっている子が、かかりやすいです。
また、毛や皮膚に付いた糸状菌に接触することで感染するので、毛が長い長毛種(ペルシャ猫など)は、かかりやすいともされています。
基本的には犬猫の皮膚真菌感染は免疫の未熟なこどもの頃か、何らかの免疫が落ちるような基礎疾患を同時に併発している場合が多いです。
わが家のにゃんこが発症したのは、5カ月齢の頃でシェルターから引き取って約1か月後にあたります。免疫の未熟な月齢+環境の変化でのストレスが影響したようです。
感染源は?
主に猫カビを発症している、もしくは発症はしていないけれど原因菌である糸状菌を持っている猫から接触感染します。
具体的なタイミングとしては、こんな場面。
さらには…
ということも。つまり、完全室内飼いであっても猫カビ感染の可能性は0ではないのです。
飼い主さんは帰宅したらすぐに手洗いをするよう心がける、靴裏を清潔に保つ(にゃんこが玄関まで来てしまう場合)など飼育環境下を清潔にしつつ、にゃんこの状態を常にチェックしましょう。
治療法
わが家では患部を毛刈り(薬の効果を高めるため)して抗真菌軟膏を塗るという治療法を続け、完治しました!
病院でのいきさつは、こんな順序でした。
- 皮膚病一般向けの塗り薬をぬって様子見
- 変化なし
- 飼い主にリングワーム感染発覚
- 再度猫検査→真菌が原因と判明
- 抗真菌軟膏を処方してもらう
初診の段階で血液検査を始めとする様々な検査で原因を探ることもできましたが、当時にゃんこはシェルターからわが家へ移り住んで1ヵ月。
まだまだ環境に慣れるのに精いっぱいな中、ストレスを増やしたくないと思ったので「まずは一般的な薬が効くかどうか試してみる」という方法を選びました。
その後、同居人の人間がリングワームに感染したという状況+猫の毛を採取しての検査によって、猫の皮膚病は真菌によるものと断定。
真菌対応の処置へと変更、という流れになりました。
その他病院での真菌治療には、複数の選択肢があります。(参考まで)
- 薬剤による沐浴(わが家の場合患部が頭丁部にあり目に入る恐れがある為、断念)
- 飲み薬(わが家の場合、子猫の為見送り)
猫のエリザベスカラー選び方とおすすめ
治療方法が固まったところで意外と困ったのが、猫に抗真菌軟膏を塗るタイミング。
獣医さんのオススメは、「塗ってすぐにごはんにする」や「遊んで気を紛らわす」というものだったけど…あまり芳しくなく、いやがったり、舐めとろうとしてしまったり。
「カラーを付けて、ぐっすり眠り込んだ時に塗る」というのが一番よかったです。
また、軟膏や患部自体をなめないようにエリザベスカラーが必須です。
猫飼い初心者だった当時、病院で購入したエリザベスカラーはこんなタイプでした。
長すぎるとカラーをつけたままではごはんが食べられないし、短すぎると患部を舐められてしまいます。
結局、カラーは長めにしておいてごはんの時だけ外す→食べ終わったらすぐに取り付けていました。これが、めちゃめちゃ不便…。
▼新しいエリザベスカラーを購入しました。
結果、寝る時もごはんを食べる時もスムーズにいくようになり、買い替えてあげてよかったなと思っています。
ただし…いつもないものがつくので、動きはおとなしくなります(苦笑)
エリザベスカラーをつけている間は、にゃんこ自身でグルーミングができないので、ときおり濡れタオルで拭いてあげていました。
カビから猫をまもる掃除
人間にも症状が出るというのは、菌が多く存在するから。とにかくにゃんこ回りの環境をキレイにするのが、猫カビ完治の早道です。
猫カビついに完治!毛が生え揃うまでの期間は?
ハゲてきておかしいと気づいてから毛がはえそろって病院の検査でもOKが出るまで、約4カ月程かかりました。
『皮膚病は治るまで時間がかかるもの』とあらかじめ言われていたし、猫自体が成長して免疫力がアップすると、パッと治ることがあるとのこと。こればっかりは個体差がありそうです。
猫カビ完治までにかかった治療費はいくら?
ペット保険に加入していなかったわが家での治療費は、39,900円でした。
いつか必ず治ります!根気強く対処していきましょう!!
以上、【完治した!】猫カビ(皮膚糸状菌症)症状発生から人への感染、治療法まで写真で具体的に解説…でした。