柔らかい布を噛んで食べてしまう、猫のウールサッキング対策方法についてまとめています。
ウールサッキングは人間が困るだけでなく、にゃんこにとっても重大な事故につながる可能性があるので注意が必要です。
とはいえ、【ウールサッキングの症状を治すのはむずかしい】というのが一般論のよう。
完治せずとも対策として挙げられているいくつかの方法を試して、効果をみてみました。
結果、うちの子に合う方法を見つけ、今ではお互いのいい状態を保てています。
それでは、早速まいりましょう!
ウールサッキングとは?どんな症状?何が怖い?
ウールサッキングとは「ウール吸い」とも呼ばれ、不適当な採食習慣のことを指します。
例として、うちの子が食べてしまうものを挙げてみると…
- ふわふわしたもの(ぬいぐるみ・毛布・台所マット・洋服・布製の猫ベッド)
- レジ袋
- 輪ゴム
- 段ボールの切れ端
- ひも状のもの
ウールは「羊毛」、サッキングは「しゃぶる」という意味です。つまり直訳すると、羊毛をしゃぶることです。猫の中には、羊毛だけではなくて、毛布、絨毯、レジ袋、ひも、輪ゴム、段ボール箱など、いろいろなものをしゃぶったり、噛んだり、あげくは食べたりする行動を取る猫がいます(食べた場合は、腸閉塞を起こして、食欲不振になり命を落とすこともあります。こういう場合は、内視鏡で取るか手術になります)。つまりウールサッキングの子猫は、室内で乳房の代わりのものを探して吸うのです。
子猫に毛布をかけてあげたら命の危険に 知られざる「ウールサッキング」の恐怖とは?
1歳頃から始まってしまいました。
「しまった!」と思うほど噛まれた後は、部屋の端っこで吐いていたり・うんちで出ていたり。
一番怖いのは腸閉塞になってしまうこと。
胃や腸に詰まってしまうと、全身麻酔の上手術で取り出すしかありません。
さらに、詰まった状態で長時間経ってしまうと最悪の場合死につながるほど危険!
異物による小腸閉塞の具体例
・若く元気のある子が急激に激しいおう吐を繰り返す(1日に20回程)
・飲んでいないような大量の水をおう吐し続ける→夜間でも緊急で見てもらうべきレベル
ですが、ウールサッキングによる誤食は、飼い主である私たちの対処で防げることがほとんど!にゃんこが安全に過ごせるよう、今すぐ対策をしましょう。
ウールサッキングの具体的な対策例
ウールサッキング対策リスト
<すぐに試せる順>
1.たくさん遊ぶ
2.対象物から人の汗をとる
3.対象物に嫌がるにおいをつける
4.対象物を噛むと、いやなことが起こると覚えさせる
5.転がすとエサの出るおもちゃを利用する
6.高繊維フードに切り替える
7.薬を処方してもらう
8.ケージに入れて飼育する
いろいろありますね。
次に、実際に試してみてわが家で効果があったもの順に詳しく解説していきます。
【効果★★★】対象物を隠す
これ、間違いないです。なかったら噛めないもんね。噛んでしまいそうなものは全部隠しましょう!
とはいえ、隠しようがなく扱いが難しいのが「人用の毛布や寝具」と「猫ベッド」でした。
人用寝具対策
冬は羽毛布団と毛布を、夏は肌掛けをダニ対策用シーツの中にしまいこんで使っています。
独特なサラサラした生地には興味がないみたいで、噛まれずにすんでいます。
枕カバーもダニ対策用のものへ変更。
冬用の布団敷きマットは、ボア素材でも今のところセーフ。(この違いは何なんだろう?)
猫ベッド対策
ほとんどの猫ベッドって布製でふわふわですよね。
今はベッドの入口を少しかじるくらいですが、これが進行してしまったら…と思うとぞっとします。
噛みにくい素材のベッドに変えましょう。
↓着古したダウンジャケットを適当に丸くしておくと、寒い季節は自分から入ってきます。
お布団屋さんがにゃんこのために作った本格的な羽毛布団!ファスナーで筒状にできる&カバー付き。つるっとしたカバーだから噛まないかな?
↓この猫ベッド、内側はふわふわタイプなんですが、こちらもかみつかず愛用しています。
【効果★★★】たくさん遊ぶ
これもわが家では効果あり!でした。短い時間で複数回遊んであげましょう!
思い返してみれば、何かを噛んでいた時はあんまり遊んであげていなかったかも…。
私たちの夜ごはん中こっそりと…なんてこともあり。自分だけごはんがないストレス?
しっかり遊んであげるようにしてから、私たちの夜ごはん中はぐっすり寝るようになりました。
子ネコたちは、兄弟ネコの背後から突然、飛びついてかみつきます。それが「遊ぼうよ」のサインなのです。かみつかれた子ネコが「なにすんだよっ!」と反撃するのが、「OK、遊ぼう」のサインです。つまり、飼い主の手にかみつくのは「遊ぼうよ」なのです。「やめなさいっ!」と叱るのは、ネコにとって「OK」のサイン。
引用:ネコ好きが気になる50の疑問 加藤由子
遊びたがっているサインを逃さずに遊びに誘うと、アグレッシブに遊んでくれます!
【効果★★】嫌がるにおいを付ける
柑橘系のにおいで一定期間は近づきませんが、時間がたつと効果は薄れるよう。定期的に「におい付け」しないといけないのが、残念なところ。
実際の様子はこちら。
これは効き目あり!と心の中でガッツポーズをしましたが、数時間後にはかぷっとくわえていました(涙)。柑橘類のにおいで効き目はあるけれど、時間経過で効果も薄れてしまうようです。残念。
ならば!簡単ににおい付けできるよう、嫌がるにおいスプレーを自作してみました。
作り方は簡単で、柑橘類の絞り汁+お酢に水を加えたもの(量は適当)をスプレー容器に入れるだけ。
毛布に噛みつこうとした瞬間「ぷしゅっ!」とスプレーすると、飛んで逃げていきました。猫が戻ってきても、においをかぐだけでぷいっと退散。
ただ、においが薄まると効果がなくなってしまうので、定期的にプシュプシュしなければいけないのが難点。
【効果★★】転がすとエサがでてくるおもちゃ
一時的に気分がまぎれるようでしたが、根本的な対策には向かないようでした。
【効果★】対象物から人の汗をとる
確かに噛まれてしまったものの多くは、人の匂いがついているもの。でも、洗濯したばっかりのものでも、噛まれちゃったこともあり。
羊毛の根元に付着している油分(ウールオイル)を生成したものをラノリンと呼び、このラノリンに反応してウールサッキングが引き起こされているといわれています。
また一部の猫は人間の腋からでる汗の匂いに反応し、飼い主が着ていたシャツなどを好んで噛んだり、シャツの上で寝たりします。腋の汗の匂いがラノリンに似ているからと考えられています。
この情報を知って早速丸洗い。が、劇的な変化ではなく「やや効果あり」といった感じでした。
【未対応】噛むといやなことが起こると覚えさせる
わが家では特定の音楽がなる=ごはんが食べられるを覚えてもらって、朝のごはん催促噛みを克服しました。
「音楽=ごはん」ができたということは、「噛む=嫌なことが起きる」もできそうだけど…「いやなこと」をどんなことに設定しましょうか。
調べてみると「大きな音」「水スプレー」「からしを塗っておいてあえて噛ませる」あたりが有効とあるんですよね。
とは言え、以前にゃんこが台所に入って困っていた時「大きな音」「水スプレー」は「いやなこと」として効き目がなかったので、うちの子には効かないかな?
【未対応】高繊維フードに切り替える
ウール=繊維。繊維が好きなら高繊維フードをを食べさせればいいのでは、という発想から高繊維の食事に切り替える治療法があります。(医学書にも記載あり)
病院で処方されるのはこのあたりのフード。
さらに、噛むことでにゃんこが満足するならば…けりぐるみで、にゃんこの「噛みたい!」という気持ちを満足させてあげられるかもしれませんね。
「繊維」と言えば、「猫草」も繊維に近い?と思い、与えてみました。
猫草も、にゃんこによって好き嫌いがあるようですね。うちの子は好きみたい。まったりした時にむしゃむしゃ食べています。
猫草を猫の嗜好品ととらえるなら、大昔からウール(羊の毛)は猫の嗜好品として知られています。とても困った癖ともいえるかもしれない猫の嗜好を数え上げればキリがありません。セーターを片腕程の分量、毛布、タオルケット。寝ている間にパジャマのお腹の部分が消えていたなんていうお話しもききます。
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ということは、「ウールサッキングが猫の嗜好」ということなら、好き嫌いがある猫草も猫の嗜好品?「猫草を噛む」ことで、満足してもらえるかなぁ?
猫草は好きだけど、だからといってウールサッキングが治ったわけではありません…。
【未対応】お薬を処方してもらう
一部の専門家では、ウールサッキングは強迫性障害が関係しているかもしれないと考えているようです。
脅迫性障害とは、不安や不快な考えが浮かんできて、抑えようとしても抑えられない行為を繰り返すことです。人間では何度も手を洗わないと気が済まない、という潔癖性が強迫性障害の例として広く知られています。
フェリウェイとは、猫の頬から分泌されるフェイシャルフェロモンとよく似た成分を拡散してくれるもの。
人間にはわかりませんが、にゃんこが嗅ぐとリラックスできるんだとか。
ウールサッキングの子におすすめのベッド
ふわふわではない素材で、猫ちゃんが安心して眠れるベッドを紹介します。
- 天然木の無垢材を使用。秋冬は暖かく春夏は涼しい。
- 上部を180°回転させれば入り口が狭くなり、隠れ家風にも。
- 上下外して使えば2つのオープンベッドに。
伝統ある「龍神杉」を使用した国産木製ハウスです。「龍神杉」とは、強度と美しさから老舗高級料亭などでも使用される木材で、屋根に乗っても大丈夫なので、家具横に置いてステップとしても使えます。
- 奈良県・天然木「吉野桧」を使用。節が目立たず美しい。
- 冬は暖かく夏は涼しい六角形ベッド。
- シンプルなデザインでお部屋に置きやすく、軽量で扱いやすい。
1点1点職人さんにより丁寧に作られます。木製でありながら重量約1.06㎏と軽量で取り扱いが楽です。
- 18年以上、ロングセラー商品。
- ベースはたっぷり厚みがある国産ウレタン。
- カバーの取り外しが簡単。丸洗いOK。
格子状に織り込まれた引き裂きに強いベッド生地が採用されています。ベッドカバーやクッション・中身が別々で購入できるのもうれしい。
今回ご紹介した方法で、少しでも軽減できたら幸いです。一緒に頑張っていきましょう!
以上、愛猫を守る!ウールサッキング対策まとめ&検証したよ。…でした。